藺草について

藺草は田んぼで栽培され刈り取ると長さがバラバラです。
それを写真の様に選別して、
一番長い物は経糸麻4本のような高級品に使用します。
藺草が長ければ畳表に織り上げた時に、色の悪い根元や、
耐久性の悪い穂先を使わずにすみ、
藺草の綺麗で丈夫なところだけを使えるので
見た目にも耐久性も最高の畳表が出来ます。
長い物から順に上級品に使われていきます。
短いのは、どうしても根元や穂先を使わなければならず
色や耐久性の悪い畳表になります。
刈り取り後に選別された藺草(いぐさ)。
この白いスポンジの様な部分が湿気を吸ったり吐いたりして、
部屋の湿度を調節してくれます。
また、空気中の二酸化窒素やホルムアルデヒド等を
吸収する作用もあります。
また、藺草の香りにはフィトンチッド・α-シペロン・
バニリン等のリラックス効果のある成分が含まれています。
新しい畳になると気持ちが良いのは、
見た目が綺麗になるだけでなく、
藺草の調湿効果・空気浄化効果・香りによるリラックス効果が最近の研究で化学的に証明されています。
藺草の断面を拡大したもの。

畳表について

畳表の品質の差は、使用する藺草の長さや畳表に織り上げる時の打込み(打込みが多いと1帖あたりの
藺草の本数が増え、しっかりとした耐久性のあり畳表になる。)で変わってきます。
しかし、一般のお客様にはそれを見分けるのは至難の業です。
一般の方が簡単に見分ける方法は、畳表の経糸を調べる方法です。
畳表は経糸でおおよそのランク分けが出来ます。
経糸が1目に綿糸2本・綿糸4本・麻糸2本・麻糸2本綿糸2本・麻糸4本の順に、
藺草の長さ・打込みが良くなり、品質が上がっていきます。
勿論、国産・中国産・生産農家・その年の天候等で左右されますが、おおよその判断材料になります。
また、近年では全国シェアの8割が中国産の畳表です。
最近の中国産畳表は昔に比べると品質が良くなり、見た目は国産と同等程度までになりましたが、
輸出時にカラカラになるまで乾燥させるので、藺草の中心部が傷み、
調湿性、耐久性では国産より劣ります。

経糸綿糸2本畳表

短い藺草を使用して打込みも少ない。
耐久性がなく色も悪いので、 賃貸物件に適しています。

経糸綿糸4本畳表

綿糸2本畳表に比べると藺草も長く打込みもあります。
予算を抑えつつ、けれどもあまりにも品質の悪い物は
嫌な方にお勧めです。

経糸麻糸2本畳表

綿糸と違い麻糸なので、太く丈夫で
その分しっかりと打込めるので、綿糸系の畳表に
比べると耐久性もあり、しっかりしています。

麻糸2本綿糸2本畳表

麻糸と綿糸の良いところを兼ね備えた、
耐久性、見た目も申し分ない畳表。

経糸麻4本畳表

丈夫な麻糸を4本も使い、長い藺草をしっかり打込んだ
最高級品。
耐久性・見た目も素晴らしく、
御茶室や御座敷にお勧めします。
焼けてからの色も綺麗で素晴らしい畳表です。

床について

稲藁床(いなわらどこ)

昔ながらの稲藁100%の畳床で、畳本来の足あたり(弾力性)があり、耐久性・調湿性・遮音性が1番優れている畳床。
お部屋の使用頻度や湿度等にも左右されますが、
上手に使えば軽く50年以上は使える素晴らしい1品です

稲藁床でも色々と産地や等級がありますが、
当店では上質で有名な播州産(兵庫県産)の並2級以上を 使用しております。
稲藁床の等級は、3級・並2級・上2級・1級・特級です。
上質な物ほど使用する稲藁の量が多く、
縫い目にの間隔も細かくしっかりとした重くて耐久性の
優れた畳床になります。

藁サンド床(わらさんどどこ)

近年の稲藁不足により考えられた、稲藁の中心部に
ポリスチレンフォームを入れた畳床で、
足あたりは稲藁床とほとんど変わらないが、
耐久性・調湿性・遮音性が稲藁床よりも劣る。
また、廃棄時にフォームが入っているので、
環境に良くない。
当店の藁サンド床は稲藁と同じ播州産を使用。

化学床(かがくどこ)

稲藁を一切使わない畳床で、インシュレーションボードと
ポリスチレンフォームの組合せの畳床。
稲藁床の足あたりはなく、耐久性・調湿性・遮音性が
他の畳床よりも劣る。
メリットは、安価で軽く、稲藁床よりも虫が付きにくい。
薄い畳や床暖房の畳に適している。

畳工事の事なら全国出張いたします。ご相談ください。